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人情
少しだけ前回の話の続きのような話しです・・・。

前回述べたように、最終的にヨーイは救急車で大学病院に運ばれました。この大学病院の神経科は北ドイツではかなり有名で優秀な医者がそろっているらしいのですが、その夜救急病棟には神経科医が一人しかおらず(意味ないですよね、優秀でもそこに居なければ)、最終的に小脳出血と診断され集中治療室に運ばれたのは明け方4時頃でした。

大変深刻な状態のヨーイをおいて一人家に帰る気分には到底なれませんでしたが、集中治療室だし、家も近いので何かあれば連絡をくれるというので、とりあえず私は家に帰ることになりました。疲れきった私を見て、優しい看護婦さんがタクシーを呼んでくれました。

病院の玄関で無口なおじさんの運転手のタクシーに乗り込み、わが家の住所を告げた後、見慣れた風景を窓越しに見ていたら、悲しさ、ヨーイが居なくなってしまうかもという恐怖や不安、緊張感、疲労感、孤独感そういったものが一斉に私を襲い、初めて涙があふれてきました。おじさんが困っちゃうだろうな、と思って涙を止めようとしても後から後からあふれて止まりませんでした。おじさんは黙ったまま運転を続けました。

家に到着し何とか涙を抑えながら料金の支払いをする私のほうに振り向いたおじさんの目は涙で真っ赤になっていました。そして私と目が合うと一度深くうなずきました。私達は必要なこと以外全く口を利かなかったけれど、おじさんの温かい気持ちが一瞬で伝わった瞬間でした。

朝陽でうっすらと桃色掛かった空を見上げ、ドイツで初めて見知らぬ人の人情に触れたなぁとぼんやり考えながら家の重い扉を開けたあの夜明けのことを、私は一生忘れないと思います。
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by kuerbis19 | 2008-09-16 06:20 | つぶやき
その後
お久しぶりです。メールや電話で温かい言葉をかけてくださった皆さんありがとうございました。そしてまだ返事ができていない方ごめんなさい。

ヨーイはかなり回復して、後はリハビリでどこまで以前の状態に戻れるかという状況です。この件に関してこのブログで病名とか詳細に触れるべきかどうか迷ったのですが、情報提供という観点からこの件についてブログ上で少しお話させていただこうと思います。結構長いです・・・。

つづく・・・
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by kuerbis19 | 2008-09-04 22:52 | つぶやき